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独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院

[2024.03.26]

~経営管理体制の見直しによる"全体アプローチ"と診療科フォローによる"具体的アプローチ"の好循環の創出~

北海道病院様では2017年4月より病院分析システムLibraをご利用いただいております。今回は、経営層が一新された2016年4月より経営改善に取り組んで来られた活動の中で、Libraをどのように活用されたのか、インタビューに伺いました。

独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院

 病床数 358床 一般病床:312床/結核病床:46床
 経営区分 公的病院
 エリア 北海道地方
 インタビュー
 ご協力者様 

 事務部長 小野寺 様
 総務企画課 土田 様

2016年4月より院長、事務部長、看護部長が一斉に変わられた時のことを教えてください。

(小野寺氏)その当時、当院の主要診療科の1つであった心臓血管センターの医師13名が引き上げる中での着任でした。チームとして勤務していた看護師など20名近くが一緒に退職するということで、当時は7対1看護配置も厳しいのではないかという状況まで追い込まれていました。心臓血管センターは、当院の中でも急性期医療の中核を担う診療科の1つでした。その診療科の継続が厳しいとなると、患者数だけでなく、患者層も変わる恐れがあり、実際、看護配置基準を10対1に変更し、地域包括ケア病棟に転換する案も出ていました。

(土田氏)近隣の取引先の間で、「北海道病院は危ないんじゃないか…」という声も聞こえてきた記憶があります。現場としては、これから先どうなっていくのだろう、という声が少なからずありました。

そのような厳しい経営状況を乗り越えで、昨年度は黒字に転換されたと伺いました。どのような取り組みをされたのですか。

(小野寺氏)いくつかありますが、それまでの診療機能ありきであった勤務体制を抜本的に変えたことが大きかったと思います。当時、ICUを6室持っていましたが、そもそも稼働率も低く、その上、心臓血管センターの医師が不在となったのですから、対象となる患者がそれほど見込まれませんでした。2対1看護配置であるICUを辞退すれば、一般急性期である7対1入院基本料の看護師要件はクリアできました。それだけでなく、ICUを有することで発生していた超過勤務手当を削減することが出来ました。また病棟だけでなく、病院全体での勤務体制、特に夜間・休日体制のあり方を見直しました。

このような大きな改革を推進するには、相当力を要すると思われますが、どのように進められたのですか。

(小野寺氏)まず経営企画委員会を見直しました。私は前職が国立病院機構だったのですが、そこでの管理体制を参考に、委員長を古家院長に担っていただき、医師や看護師、コメディカルの部門長、また、附属の老健施設や健康管理センターの担当者も参加して、毎月実績管理を行うようにしました。月次の決算情報や診療単価、患者数だけでなく、各部門の実績をそれぞれ報告するようにしました。また「救急医療管理加算はもっと対象患者がいるのではないか」というような、医師からの問題提起を受け、診療報酬の請求漏れの対応も行いました。

事務部長 小野寺 正逸 氏

(土田氏)救急医療管理加算については、Libraを使って同規模他院の算定件数を見ると、加算1、2いずれも少なく、算定対象と思われる患者がいることを数値でも確認しました。そこで検討した結果、医師によるオーダー制をとり、医事課からも対象となりそうな患者について医師に照会することで、積極的に算定をして1年で3,500件算定件数が増加しました。

(小野寺氏)各診療科が協力してくれたのは、古家院長の声かけが大きいです。経営企画委員会の見直しはもちろんですが、個別の課題や検討事項などは直接、該当の診療科の医師と話をするということを進めてきました。例えば、DPCの機能評価係数Ⅱ、特に、効率性係数と複雑性係数が当院は低かったのですが、具体的にどのようにしたらいいのか、必要な情報を伝えるための資料を全診療科に準備しヒアリングを行いました。

(土田氏)日本経営さんの経営分析研修会で教えていただいた方法で、Libraの数値と公開情報を使って、各診療科で症例数の多いDPCコードについて、全国でも症例数が多いものを特定し、DPC期間別に構成比を出しました。各DPCコードの全国の平均在院日数がどれだけで、当院の患者の在院日数の分布とDPC期間の設定をお伝えすると、先生方も、可能な範囲で在院日数の短縮化を進めて下さいました。中には、期間Ⅱ以内患者割合が20%台から60%台まで増加し在院日数が5日近く短縮し、退院患者数が1.4倍になったケースもあります。

図1:効率性係数向上に向けた各診療科への個別アプローチ事例

病院全体としての委員会という公式な場と、各診療科との個別コミュニケーション、双方の歯車がうまく噛み合って、改善活動のよい循環が生まれたようですね。

(小野寺氏)経営企画委員会では、古家院長を中心に病院の向かう方針、改善の取り組みの方向性を示すようにしていましたが、やはり細かい話を着実に進めるためには、各診療科の医師と具体的にコミュニケーションをとる必要があります。経営企画委員会の見直しはもちろんですが、個別の課題や検討事項などは直接、該当の診療科の医師とお話をするということを進めてきました。例えば機能評価係数を上げるためには、この診療科ではこの疾患をどのようにすることが検討可能か、事務職員が作成した資料を元に意見交換をするようにしています。また、各診療科が協力してくれたのは、古家院長のリーダーシップが大きいですね。

土田様が今後、Libraを活用される上で、どのようなことをLibraや弊社に期待されますか。

総務企画課 土田 駿介 氏

(土田氏)医師とのやり取りにおいてDPCコード別の集計やベンチマーク機能もあるので他病院との比較がしやすく、切り口としてこれからも活用していきたいと思っています。そういう点では、DPCコード別の入院期間別構成比やその時系列変化が、もう少し簡単に見れるとありがたいです。また、もう1つ挙げるとすると、データ処理速度でしょうか。レセプトデータやDPCデータをアップロードして、翌日にならないと情報が反映されないので、タイムリーに分析を行っていくことが難しいです。なので、データをアップロードしてから1時間程度で処理されるのが理想ですね。

(奥中)いろいろとご意見をいただけるのは、大変ありがたいです。なるべくユーザーの皆さまからいただく声にはお応えしていきたいと思っています。特にデータ処理速度については、皆さまのユーザビリティを損なわないためにも、エンジニア含めて、改良していきたいと思っています。ユーザー数や機能が増えても、可能な限り、変わらずご利用いただけるよう、引き続き取り組みたいと思います。

事務長が弊社のLibraや事務職員の皆さまに期待することは、どのようなことですか。

(小野寺氏)そうですね、今回の取り組みもあって、おかげさまで先日付与された機能評価係数Ⅱは、効率性係数、複雑性係数いずれも大きく向上しました。今後も、様々な取り組みを進めていきたいですが、医師とのコミュニケーションを図る上で、様々な指標を医師別に見ることができるというのはありがたいと思っています。こうした集計値を参考にしながら、例えば、診療科別の半期の面談等で参考にする資料を見ることができればと思います。一方で、分析システムはあくまでツールの1つであり、それをどのようにして現場で使いこなしていくかは、事務職員が担う役割として、とても重要だと思っています。当院の事務職員には、経営企画委員会などの場を、報告の場ではなく、議論する場に変えていけるよう、これからも試行錯誤を重ねてもらいたいと思っています。

本日は、ありがとうございました。

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